FAQ8 すぐに妊娠を希望しない
RA患者さんに対するヘルスケアはどうするか?
- 避妊の継続状況および今後の妊娠の希望を定期的にヒアリングすることを推奨する。
リウマチ治療医によるカウンセリング
薬物療法による疾患活動性のコントロールを継続する。その際、現在使用している治療薬が、妊娠時に使用可能な薬剤かどうかを伝え、計画外の(偶発的な)妊娠を認めた場合の対応についても確認をする。
定期的な受診を通して、適切に避妊を維持できているかを確認し、懸念があれば産婦人科医の受診を推奨する。また、家族計画(妊娠の希望や、妊娠の可能性)についても定期的に確認することが望ましい。
産婦人科医によるカウンセリング
初期のカウンセリングで、避妊の大切さや、リウマチ治療時の計画外の(偶発的な)妊娠に対する対応を説明したうえで、リウマチ治療医から避妊のアドヒアランスに関する懸念を提示された場合などは、改めてカウンセリングを行う。また、女性の健康に関する一般的な事項として、2年に1回の子宮頸がんスクリーニングや月経不順、子宮内膜症といった婦人科疾患のチェックを必要に応じて実施する。
計画外の(偶発的な)妊娠について
妊娠中使用禁忌の薬剤を服用時に、計画外の(偶発的な)妊娠を認めた場合は、直ちにその薬剤を中止し、産婦人科と情報共有する。なお、妊娠中に使用禁忌の薬剤を服用していた場合も、妊娠初期であれば影響が少ない場合もあるので1)安易な人工妊娠中絶の選択は避け、これらの情報を患者さんにも伝え、産婦人科医とも情報を共有し、妊娠を維持するかどうか患者さんの希望を確認する。
JAK阻害薬服用時に妊娠した場合も、中止した際の催奇形性リスクは報告されていないので、同様の対応を行う。
(計画外の(偶発的な)妊娠についてFAQ4参照)
なお、MTX等が妊娠に及ぼす影響などについて、妊娠と薬情報センター*に相談することも可能であることを紹介する。
- *妊娠と薬情報センター(国立成育医療研究センター)
全国にある拠点病院での専門の医師・薬剤師による相談を受けており、情報の提供や判断の支援を行っている。
- 1)Weber-Schoendorfer C et al: Arthritis Rheumatol 2014;66:1101-1110
JP-N-DA-RH-2200109