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WoCBA RA患者のプレコンセプションケア

リウマチ治療医によるケア

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FAQ7 妊活の開始前に、薬物療法の切り替えをどう進めるか?

  • 適切なウォッシュアウト期間を設けて変更することを推奨する。

リウマチ治療薬の選択

WoCBA-RA患者さんが、薬物療法により寛解・低疾患活動性に達した場合、妊娠中に使用可能な抗リウマチ薬に切り替える。
(妊娠時に使用可能な薬剤に関しては、下記のリンクを参照)
特定の抗リウマチ薬は妊娠中に使用できないため、1月経周期以上のウォッシュアウト期間を設ける1)
JAK阻害薬などについても、それぞれ適切なウォッシュアウト期間を設ける1)
妊活開始時の薬剤の使用状況などは、「妊娠前チェックシート」(妊娠前チェックリスト;「全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針」(平成30年(2018年)3月発行), P57参照)などを活用する。

生物学的製剤の投与

生物学的製剤のうち、TNF阻害薬は、妊娠中期(第2期)までは、継続して使用可能であることが広く合意されており2)、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に、妊婦中の投与が推奨されている。TNF阻害薬を使用する場合、特に妊娠後期は、胎盤通過性の少ない製剤が望ましい2)
胎盤移行性を有する生物学的製剤を妊娠後期(28週)まで投与されていた場合は、生後6カ月以内の乳児への生ワクチン接種を避けることが推奨されている3)。日本の調査でも、妊娠中のTNF阻害薬使用者、他のDMARDs使用者、DMARDs未使用者の母体および新生児の転帰を比較したところ、TNF阻害薬は母体および新生児の転帰を悪化させないことが示されている4)。逆に、妊娠中にRA疾患活動性が再燃したRA患者さんの要因を検討した前向き調査では、妊娠初期のTNF阻害薬の中止が母体および新生児転帰の危険因子として同定された5)

IL-6阻害薬の特定の薬剤では、一般集団と比較して早産の頻度は上昇するものの、先天性異常のリスクを増加させる徴候は認められないことが報告されている6)。CTLA4-Igについても明確な先天性異常のリスク上昇は認められなかった7)。IL-6阻害薬、CTLA4-Igとも妊婦中の投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することが推奨されている。

JP-N-DA-RH-2200109