WoCBA RA患者における産婦人科医との連携
関節リウマチ患者さんが妊娠したり妊娠を希望した場合には、主治医と産婦人科医が連携を図り、情報を共有することが望まれます。情報を共有する手段としては、電子カルテのほか、患者さんに行ったアンケートの結果や、母子手帳、看護師さんによる聞き取りなども有用です。
連携のメリット
関節リウマチ患者さんが妊娠した場合、あるいは、妊娠を希望した場合には、関節リウマチ治療における主治医と産婦人科医との連携を図ることが望まれます。主治医の治療方針が産婦人科医に伝わっていなかったり、妊娠の経過を主治医が把握していなかったりすることは、患者さんの不信感につながる危険性があります。
可能であれば、主治医、産婦人科医のほか、看護師や、理学療法士、薬剤師などのメディカルスタッフも含めた合同カンファレンスを、妊娠の計画時と産後の1か月検診時を目途に実施するなど、現在の病状や治療薬、今後の治療方針、出産方法、産後の治療方針などについて検討する機会を持つことが理想的です。患者さんが院内の誰に尋ねても同じように的確な答えを得られれば、病気を抱えながらも安定した精神状態で妊娠期間を過ごし、出産を迎えることにつながると考えられます。
連携の実際
妊婦健診の間隔は、妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは週1回の受診が厚生労働省より勧められています1)。関節リウマチ治療の主治医は妊婦検診の日程を把握し、同院であれば、患者さんが同じ日に両方の診療科を受診できるようなシステムが望まれます。
主治医と産婦人科医とで情報を共有する手段としては、電子カルテのほか、患者さんに行った問診票や聞き取りシート(チェックシートなど)などが挙げられます。看護師などの聞き取りによる情報提供書の作成も有用です。
産婦人科が同院にない場合も多いと思われます。そのようなケースでは、情報提供書の相互の活用が理想的です(図)。
図 リウマチ・膠原病科医と産婦人科医との連携の例
監修 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 主任副センター長/妊娠と薬情報センター センター長
村島 温子先生
- 1)厚生労働省: ~すこやかな妊娠と出産のために~ “妊婦健診”を受けましょう
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/
JP-N-CZ-RA-2100127